放虫について

書いてる時点ではまだ要注意程度で済んでいるのですが、
クワガタやカブトムシが輸入禁止になる、などの話が出ています。
その発端となるのは日本にて外国などの異産地の虫を放つ、いわゆる放虫(ほうちゅう)です。
そこで放虫をすると何が起こり、どうなってしまうのかを自ら再認識する為、
そして皆さんにも知っていただき広めてもらうためにも自分なりにではありますが
ペンを走らせ・・・、いやキーボードを叩いてみようかと思います(笑)。


放虫すると何が起こるのか?
まず、放虫をすると何が起こるのか?、と、言うと結論から言えば
日本の自然界における生態系が崩れるコトです。
コレを更に分けるとこんな感じかと思います。
1.在来種が異産地の虫によって殺されてしまう。
2.在来種が異産地の虫と交配する事によりその種が居なくなる。
この2点を下記で細かく触れてみたいと思います。


1.在来種が異産地の虫によって殺されてしまう
自然界は弱肉強食の世界です。強い虫が入ってきたとしたら
エサの奪い合いなどにおいて、在来種が負けてしまいます。
それによりその場で殺されてしまったり、餓死するモノが増えたりします。


2.在来種が異産地の虫と交配する事によりその種が居なくなる
意外とコレは認識されにくい点なのかと思いますし、そのワリには1より怖い点でもあったりします。
他の生物でそんなに見られる現象でもなく、ある意味、クワカブ特有とも言えます。
(※まぁ入ってきたのが確認出来ないぐらいの生物とかでは既に起きているのカモ知れませんが・・・)

なお、ココで言う、「居なくなる」と、言うのは遺伝子的には残るのですが、
純粋なその種が居なくなる、と、言うコトを示します。
具体的に言うと、
オオヒラタ系は日本のヒラタと交配が可能、
ホーペ、グランディス系は日本のオオクワと交配が可能、
・・・だったりしますので、交配が自然界で繁殖すればツリー構造的に
異産地の遺伝子が入る事になり、純然たる国産種が居なくなる事になります。
もちろん影響を受けない種類も居るかと思いますし、
逆にもっと脅威になる可能性もあるのではないか?、と、私は考えてます。
みなさまは通称オオコクワ、と、呼ばれる個体をご存知でしょうか?。
オオクワガタとコクワガタが交配したものです。
そのオオコクワには生殖能力が無いと聞きます。
もし、異産地の虫との交配で同じ様になる種が居たとしたら、それと交配した次世代の虫は
繁殖を出来ないまま、と、言う事になります。
確か蚊か何かの駆逐方法で生殖能力の無い雌を放し、それと交配させる事によって
正常な雌との交配を減らすと言う方法を聞いた覚えがあります。
コレだとヘタすると遺伝子すら後世に残らない可能性が出てきます。


まとめ
結局のところ、異産地の虫を逃がすとその周囲の自然環境の影響を及ぼし、
元々居た固有種が居なくなってしまう可能性が有るワケでして、
ソレで輸入や飼育の禁止が騒がれているのです。
輸入解禁などがあってせっかく飼えるようになった昆虫も、
このまま放虫が進めば輸入禁止、はたまた飼育禁止となってしまうのです。
ぶっちゃけ、飼わなきゃいいぢゃん!!、って言われて方もいらっしゃるかと思います。
ソレはまったくそのとおりだと思いますし、否定する気も有りません。
でも、どんなものでも最初はこんなところから始まってるのだと思います。
飼育をやめるのは簡単、禁止するのも簡単、だからと言ってココまで浸透したモノを
その一言で終わりにするのはあまりにも考え無しな意見なのではないでしょうか。
禁止の噂が騒がれている今だからこそモラルや啓蒙が大事になって来ますし、
ソレが今後私達がずっと飼い続けられるかどぉかにかかってくるのです。

ココを見てくださった方から少しでも賛同が得られれば幸いです。
最後まで読んで頂き有難う御座いました。